魔法少女まどか☆マギカ 第11話・第12話「最後に残った道しるべ」「わたしの、最高の友達」

一挙2話ないし3話放送という形で、従来のスケジュールから約1ヶ月遅れてようやく完結を迎えました。
今回はそんなまどマギ待望の最終回ついて、2話まとめて一気にレビュー。
物語は登場人物の誰にとっても最上といえる結末にはならなかったけれど、かねてから懸念され想定されてもいたバッドエンドは回避し、準ハッピーエンドといえるフィナーレへ。
※10話のレビューは先日既に終えているので、こちらをご参照下さい。


・第11話「最後に残った道しるべ」
まどかはわし(私)が育てた。
なんという皮肉・・・。
まどかを救おうとループを繰り返すうちに、知らず知らずまどかをキュゥべえにもっとも目をつけられやすい才能の持ち主にしてしまっていたなんて(´・ω・`)

  • 母と担任

旧知の仲だった模様。
ここにきてこんな裏設定が明らかになるとは・・・。

  • ほむほむ

10話でも実感したことですが、キャスティングが斎藤さんで本当に良かった。
泣きの演技に定評のある人なので、ああいった役割を演じられるとこっちまでもらい泣きさせられます。
声だけで視聴者の感情移入をグッと深められるというのは、プロの声優の鑑です。

  • 彼女の孤独な戦い

漂う悲壮感が辛い。
万能無敵の能力に思えるほむらの魔法ですが、マミさんなどとは違ってこと攻撃手段に関しては現実世界の物理に頼らざるを得ないのが欠点。
リアルの常識を凌駕したファンタジックな魔法的攻撃力による打撃を与えられないというこの唯一の欠点が、強大な魔女相手では致命傷となり、結果として何度やっても一人では勝てない・・・。

そして、物語は最終話へ。


・最終話「わたしの、最高の友達」
11話の終盤、ついに主人公として立ち上がったまどか。
この世界を・・・大切な人たちを救えるのなら私は神にでも何にでもなってやる!
いま、彼女の膨大な魔力が奇蹟を呼び起こす!!


というわけで、まどかは世界の構造を根本から作り変えるという離れ業をやってのけました。
そうして、魔法少女という存在は誰もが思い描くような悪を退治し人々の平穏を守るというあるべき姿となってまた運命の歯車として回り始めるのでした。


つまり、まどかは「エントロピーが云々、宇宙を維持するには魔法少女という存在によるエネルギーの回収が必要不可欠でどうたらこうたら」という宇宙の摂理まではさすがに彼女の願いの力をもってしてもどうしようもなかったので、せめて魔法少女の誕生と戦いにまつわる因果を作り変えたようです。

1:魔法少女誕生(インキュベーターが支援?)→魔女を倒す→呪いの蓄積により、ジェムが汚染される→魔法少女が新たな魔女となる(この時発生するエネルギーをインキュベーターが回収)→以下繰り返し。得られたエネルギーで宇宙が存続。


2:宇宙を維持するためにはこの魔法少女が戦う仕組みは不可欠。


3:これだけは変えられない。ならばせめて、このルールをもっと心安らかなものに・・・。


4:魔法少女誕生→魔獣を倒す(インキュベーターが支援)→魔獣が小石みたいなものに変わる(この石からインキュベーターはエネルギーを回収する)→呪いの蓄積により、新たな魔獣が生まれる→以下繰り返し。という新ルールで再構築
5:代償として、まどかの存在が消滅

乱暴に言ってしまえばまどかは、観客動員によって収入を得るためにコロシアムで殺し合いをするのはあんまりなので、やり方を変えてボクシングでお金を稼ごうよ、という提案をした、と。


結果、物語としてはほむらも宿願叶ってニッコニコといった大団円にはならずに終わりました。

しかもなぜかさやかまで因果から抜け出せず、犠牲になっています。

これは恐らく、あえてそうすることであくまでもこの作品をまどかとほむらの物悲しくドラマチックな友情物語に仕上げたかったからなのでしょう。(画像の英文が、なかなか詩的です)
まどマギの場合、ああいった展開から壮大に風呂敷を広げてきただけに、最後の最後で過度なご都合主義展開によって何もかも丸く収まるよりは、こういった湿っぽい物語の余韻の方がしっくりくる気がします。
大部分において最後まで納得・満足いく作品として楽しむことができました。
オリジナル作品として見ても、やっつけやとってつけたような急造っぽさもなく、丁寧に作り込んだものを久しぶりに見ることができたように思えます。