シュトヘル 4

シュトヘル 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シュトヘルの肉体へと転生した須藤。
いまは成りを潜めたシュトヘルの精神に代わり、いまは彼がその体を動かしている。
けれども戦う術を持たない彼では、道行き険しいユルールの旅の共としては些か心もとない。
だが、それでも彼は彼なりにできることをすると決意を固めるのだった･･･。


さて、器はそのままでも中身がすっかり変わってしまったシュトヘル。
しかし1巻での導入からして、中身が須藤になってからが本当の物語の始まりであることは明らか。
いまも稀にシュトヘルの精神が表に現れることもあるようだが、ひとつの体にふたつの精神が内在する状況が、最終的にどういったことになるのかを楽しみにしていきたい。


一方で、中身が須藤となったことを契機に、物語はシュトヘルだけにフォーカスする構成からより多角的な構成へと変化を遂げたようだ。
具体的にはこの4巻では、ユルールの兄ハラバル及び謎めいた尼僧ヴェロニカなる人物へも深い言及がなされている。
それぞれの物語が交錯することで、物語の全体像はより大きなうねりを生むことになるのかもしれない。