STEINS;GATE 円環連鎖のウロボロス 2

原作ゲームが好評を博し、アニメの評価も高まりつつあるシュタゲの小説版。
事実上この2巻は、上下巻の下巻に当たり物語が完結を迎える1冊となっている。
尚、小説とゲームでは物語の展開が異なるのだが、詳細な差異についてはどこかの誰かがまとめてくれているはずなので、ご了承下さい。


ようやく読み終わった・・・。
この厚さ・テキスト量からすれば読み始めてからの所要時間はむしろ少なかった方だと言えるのだが、如何せん買うだけ買っておいて実際に手をつけるまでの期間が空きすぎた。
もう完全に小説版の旬は去り、アニメに注目が集まっている頃である。
実にマイペースすぎたと思う。


さておき、膨大なテキスト量によって完結を見たこの2巻。
原作が多大なる評価を得ていることに改めて納得できる物語であった。
ただ、物語も大詰めに差し掛かってからの終盤だけはややそれまでの勢いを失ったかのような印象を抱いたことも正直に伝えておきたい。
終盤はトントン拍子に物事が進むのだが、制限内に詰め込む格好になっているのかどうにもテンポが良すぎる側面があり、それまでの重厚な紆余曲折に比べて緊張感に乏しいのである。
上下2冊の長い長い物語の最後を飾るにはやや爽快感に欠けるのが実に惜しい。


そのほか、本作は原作ゲームよりも科学面の説明に比重が置かれている。
割と面倒くさい説明が長々展開されるので、興味がない人には少し苦痛かも知れない。
タイムリープ理論に興味がなければ斜め読みで。
反対に、原作における説明不足に物足りなさを感じた人はたっぷり堪能して下さい。


尚、第一版(初版)では多少の誤字や脱字といった些細な問題を差し置いて大きな問題が修正されずそのまま刊行されている。
二版以降で修正されたかどうか確認は取れていないが、このままの状態で完成品として世に出し続けるには目に余るミスなので、早めの修正が望まれる。

具体的には、同じ内容のものが文章を変えて同一ページ内で重複して書かれている、というもの。
例を挙げるとこんな感じ。
 今日私は電車を利用し、来月の結婚式に出席するためのスーツを新調しに出かけたのだ。
 今日私は電車に乗って、来月に控えた結婚式の出席に備えてスーツを新調しに行った。
この例では一行の文章が重複しているだけなので二行程度であるが、本作における実際のミスでは四〜五行の文章が丸々重複しているので、結構見苦しい。
ちなみに、ページ数を控えていなかったため分厚すぎる本作の中から該当箇所を洗うのが困難であり、何ページのことだったかはわからない。