ブレット・ザ・ウィザード 1

ブレット・ザ・ウィザード(1) (アフタヌーンKC)

ブレット・ザ・ウィザード(1) (アフタヌーンKC)

1960年代、アメリカ。
ギャングが闇に潜み、大型車が幅をきかせていた時代。
そんな世の中にあって、ギャングを相手に命知らずの大渡りを繰り広げる男が居た。
ギャング・キラーとまで呼ばれた彼は、世にも不思議な魔法を操るマジシャンで・・・。


GUNSMITH CATS』シリーズの園田さんの新シリーズ、第1巻。


さて、評判を聞きつけて買ってきた本作。
その内容はと言えば、まるで奇術のような不可思議現象を起こせる拳銃を手に繰り広げられるハードボイルドアクション。
車に拘りを持つ作者らしく年代を1960年に設定したアメリカを舞台に、ならず者同士が凌ぎを削る妙味ある作品だ。
非合法同士のやりあいだけに、カマ掛け・ハッタリは当然のように横行し、どちらが悪だかわからないような構図が面白い。


また、この巻では明らかとはされず次巻への楽しみとなっているが、そんな男に付き添っている正体不明の少女。

元人間と思われるが、既に人ではない何かとなっている10歳前後の子。

そして、男自身も何故ギャングだけを相手にこのような行動を続けているのかといった謎めきもある。
流行りの画風ではないが、作画も実に読みやすく質の高いものになっている。
アクション性だけを取ればずば抜けているわけではないが、けれんみたっぷりの展開にちょっとファンタジーなガンアクションといった構成に興味があれば、是非読んでみると良いだろう。