花咲くいろは 1

花咲くいろは(1) (ガンガンコミックスJOKER)

花咲くいろは(1) (ガンガンコミックスJOKER)

一部の回を除き、アニメが全体的にどうにも興に乗り切らなかったので買うのが躊躇われていた一作。
が、しかしいざ読んでみるとよくあるおざなりなコミカライズではなく、なかなかの良作。
アニメを見ていない人も漫画ならさほど時間を取られないので、『花咲くいろは』の世界に触れてみるのに良いかも知れない。


さて、そういったわけで思いのほか出来の良いメディアミックス作品。
アニメが描き切れなかった行間を巧く補足しつつ、それとは反対に省いている箇所もあるが、それでいて駆け足になりすぎておらず巧い舵取りがなされている。


また、主人公である緒花の物語を描くことに専念しているのか、スポットの当たる対象がかなり絞り込まれている。
この先どうなるかはわからないが、少なくとも1巻では他の従業員は半数以上がただの背景である。
アニメではあっちこっちに話が飛んで散漫になった印象が強いので、これも好印象。
まあ、あまりにも絞込みすぎるとダイジェストになってしまう可能性もあるが、その辺りは2巻でどうなるか見てみたい。


尚、作画に関してはコミカルな場面を描くのには向いているようだが、シリアスな場面を描くにはやや重さや迫力に欠けているように思える。