セカイ魔王 1

セカイ魔王 (1) (まんがタイムKRコミックス)

セカイ魔王 (1) (まんがタイムKRコミックス)

300年ぶりに目覚めた魔王は、記憶の大半を失っていた。
そして、魔王の復活は同時に勇者の誕生も意味する。
そこで魔王は、勇者の旅に己の分身を同行させることで、成すべきことと自らの在り方を探ることにしたのだが・・・。
この勇者、歴代最弱のへっぽこなのだった。


勇者と魔王の脱力お気楽冒険記、始動。


さて、上述した通りあまりにも勇者が弱いので、なかばそのお守りをする形で魔王が分身を同行させているという何とも不可思議な構図が愉快な作品。

ちなみに勇者がどれくらい弱いかというと、町の番兵が「蹴り飛ばせばそれで済む」という最下級の魔物相手に剣を使っても大苦戦。
また、魔王の姿格好は表紙の銀髪の子がそれであり、その内面と相まってこちらも型破りである。

話の流れとしては、こう弱くては魔王討伐どころではないね・・・ということで、まずは各地に残された先代勇者の足跡を辿る旅をし、情報を得ると共にその道中で強くなろうとする展開となる。
そのため四コマという形式は取っているもののストーリー性が色濃く、ギャグとストーリーが半々といった塩梅。


そして、そのストーリーの方も長期連載を想定したようなものとはなっていないようなので、デビュー作と同様に本作もさほど巻数を重ねないうちに完結する見込みが高い。
四コマ作品は一度買い始めるとやめるにやめられなくなることもしばしばあるが、その心配もないだろうから気軽に手に取ってみてはいかがだろうか。
四コマの枠内での表現力も高く、萌えしかない凡百のきらら四コマに飽いた人でも楽しめるだろうと思う。