けったま!〜蹴球☆らいおっとガールズ〜 1

金髪碧眼、英国人とのハーフの美少女三浦瑠依は憧れの姉の後を追ってプロサカー選手を目指す中学生。
そしてこの春、姉が所属するクラブチーム“東京小町FC”のユースに飛び級で入団した。
ようやくスタートラインに立つことが出来た彼女。
しかし、その道行きは決して易しいものではない・・・。


前々から興味はあったもののどうしてもビジュアル先行の印象が拭えず手を出すのが躊躇われていた本作。
しかしここ最近で購読をやめた作品もかなり増えてきたので、何か新しく読み始めるのに丁度良い機会と思い、ようやく手を出してみました。
と、まあそんな話はさておき、この作品については以下で紹介。


さて、美少女が主人公・・・というか登場人物は大体みんな綺麗どころという本作。
それは目を引く表紙イラストだけでもお分かり頂けるかと思う。
また、その延長として頭髪に関しても運動を前提にしていない人物も居る。
ゆえにリアリズムを追求した本格派のサッカー漫画を求めて本作を手に取るべきではなさそうだ。


物語の展開は、主人公の人柄と密接に関連した形で描かれていく。
人目を引く容姿を持ちながら引っ込み思案で人付き合いが苦手。
そんな彼女が集団生活に巧く馴染めるかどうか。
そして、純粋にサッカーが好きなのではなく、ただ大好きな姉と同じことがしたいだけという異質なプレーの動機。
この二点が中心軸となるようだ。


ただし、集団生活が云々と言ってもこれも現実とは違い、周囲を良い人ばかりに囲まれているため1巻を見た限りでは人間関係の摩擦や軋轢は発生していない。
本人の意思はどうであれ、周りは入団早々歓迎ムードであるから今後もそういったテーマが描かれることはないと思われる。
尚、1巻の時点ではサッカー漫画として考えない方が良いというか、サッカー漫画としては評価のしようがない。
たくさん居る登場人物を一気に出しすぎたせいか、サッカーの描写も人物の掘り下げもまだほとんどされていないからだ。
辛口な言い方をすれば、たくさんの可愛い女の子がはしゃいでじゃれあっているだけ。
まずは個々人の深い描写を先にすべきだったかも知れない。


総じて、ガツガツの熱血系でもなく、ドロドロのリアル系でもない読みやすい作品であると言える。
それだけに、裏返せばビジュアル的な要素以外のパンチ力は乏しい。
2巻以降でこの作品の方向性がはっきり示されてくることを期待。