境界線上のリンボ 1

境界線上のリンボ (1) (まんがタイムKRコミックス)

境界線上のリンボ (1) (まんがタイムKRコミックス)

ヒトとエルフのハーフの子、フゥ。
彼女はどちらから見ても異質なその耳のせいで、人間界とエルフ界の両方で居場所を失った。
そんな彼女が行き着いたリンボは、異世界との境にあるあらゆる人種の集まる街だった。
今日から彼女は、この街のよろず屋さんで新たな生活を始める───。


前々から興味があったのに、なかなか買わずにうかうかしていたら連載が終わってしまった一作。
内容としては、プロローグの持つ話の重さの割りに本編は明るく、心が温まるようなものとなっており、とっつき易い。
その場その場で笑いを取るギャグ重視の作りではなく、連載一話分を通してひとつのショートエピソードを描く物語性重視の傾向も感じられる。
また、ひとつひとつのエピソードに共通するものとして、様々な人種が入り乱れる社会という確たるテーマが見受けられる。


総論としては、同じきらら四コマの中でも萌えや笑いに特化した類ではなく、『荷担ぎのクロ』に代表されるような読ませる類の作品である。
流行る流行らないで言えば、昨今の売れ筋からして恐らく流行らない方に含まれるのだろうが、こういった作風のものは特に好きなので高く評価したい。