ハルポリッシュ 2

ハルポリッシュ 2 (少年チャンピオン・コミックス)

真剣に魅入られた少女、岡本春は高校入学と共に居合道と出会う。
そのきっかけをもたらした居合道部への入部を是非もなく決めた彼女。
そして、廃部の危機にあったその部もどうにか部員を揃え、いよいよ部としての活動を始動させたのだった。


さて、五人揃ったことでいよいよ部としての活動がスタートとなる第2巻。
しかしながらこの2巻では全体的に拝先輩が抱える闇を描写することが多く、部としての活動らしい活動の描写はさほど多くない。
それに伴い、必然的に努力や熱血といったスポーツ面の展開が繰り広げられることもない。
どちらかと言えば、基調としてはコメディ（とお色気）が優先されており、そこに時折居合いの描写が差し込まれるといった塩梅だ。
このコメディパートと居合いパートのギャップが強烈で、かなり力強い印象を与える。


そしてどうやら今後もこの構成が基本となる模様。
元々が居合いという特殊なジャンルを扱っているだけに、一般的な部活モノにつきもののスポーツとしての描写や他校との試合などが展開されることはないだろう。
そういった意味では、部活というよりは高校生による同好の士の集いを描いた物語と考えた方が良いかも知れない。


尚、第1巻ではまだしも殺気や威圧感で説明のついた描写などもこの2巻では更に勢いを増し、「イメージ」で人が倒れたり吹っ飛んだりするようになっている。
若干ファンタジーな色彩も帯びてきたので、この辺りの過剰描写は受け付けない人も居るだろうか。


その他、この巻から各話の間でゲストキャラクターによる居合講座なるコーナーが設けられている。
このコーナーでは主に真剣（刀）や居合いにまつわるまめ知識やうんちくなどの解説がなされており、なかなかに知識欲が満たされる面白い企画である。