バガタウェイ 5

バガタウェイ 5 (コミックブレイド)

バガタウェイ 5 (コミックブレイド)

大野城との交流戦第一回戦に辛くも勝利した筑紫学園。
次なる二回戦の対戦相手は、近年の九州地区における女子ラクロスの頂点に君臨し続ける絶対王者天神高校。
筑紫とは対照的に、突出した才能に依存しない全員プレーのシステムラクロスを標榜するチーム。
その王者を相手に新メンバーで挑む筑紫は、胸を借りるつもりで試合に臨んだのだった。


いよいよラクロスの漫画としての面白さが引き立ち始めた第5巻。


さて、チームメイトの支えもあり、先の一戦にて弱点を克服したソラ。
そんな彼女がシンパシーを感じ、意気投合した「精霊さん」こと風磐アニスが所属する天神高校こそが次なる試合の対戦相手。
そして、外部コーチの就任以降九州最強を誇るその天神に昨年唯一土をつけたチームもまた他ならぬ筑紫であった。
だがしかし、当時の主力であった三年生を欠き、攻撃陣を新人で固めるいまの筑紫にかつての力がないのは自他共に認めるところ。
ゆえに今回の試合では敗北は必至。
ならば勝つための試合ではなく、大いに学ぶための試合にしようということで二回戦のゲームが始まるのが今回のお話。


3〜4巻が言うなればヒューマンドラマであったのに対し、この5巻ではスポ根的な展開が繰り広げられている。
初戦とはまた違った魅力があり、また、前の一戦よりもチーム戦術やプレーの解説など、ゲーム展開を描写する場面も増えている。
そして、圧倒的な戦力差を武器に天神が筑紫を圧倒しにくるかと思いきやそうではなく、かといって筑紫が下馬評を覆すような主人公補正的な展開を見せるのではない違った意味での予想外な展開が待ち受けており、見所の多い内容となっている。
先を読ませず飽きさせず、実に面白い流れが出来ており、6巻がとても楽しみになった。