UN-GO(アンゴ) 最終話「私はただ探している」


死んだはずの海勝から届いた宴の招待状。
これに対し泉は、悪趣味な茶番だと新十郎を責めるが、彼もまた招待客の一人に他ならない。
そう、これはあの爆破事件の関係者が一堂に会するパーティなのだった。
であるならば、これがただの悪ふざけであるはずがない。
新十郎は、これを好機とばかりに最後の推理を展開し始めた・・・。


結局因果とは何だったのか。答えは劇場版で───という最終回第11話。


さて、そんなこんなで最終回をむかえた本作。
1・2話を見た際に、折角のオリアニなのにこりゃダメだな・・・とも思ったのもついこの間のことのようですが、振り返ってみれば派手さもキャッチーな要素もないながらに特有の魅力を醸し出す佳作といった印象が残る作品でした。
とりわけ全3話に及んだラストエピソードは、ミステリとしても決して悪いものではなく、実に楽しく見ることができました。
そして、ここで終わらずにもう少し見せてくれ、という後引く余韻が残る終わりもまた良いものだったと思います。


そういった意味では、「因果というチートを使って事件を解き明かすなんちゃってミステリ作品」という誤った認識を与え、より多くの人に見てもらう機会を逸したであろう全体の構成には落ち度があったのかも知れません。
4・5話の風守編や6話のようなエピソードを頭に持ってきていれば、あるいは・・・などという空想をしてしまいます。
あとはまあ、劇場版を見ていないせいかいまいち因果の存在意義がピンと来なかったのが残念だったかな。

  • 首謀者

海勝ではないだろう。
なら倉光議員か?というと、それも何か違うような・・・。
では一体誰が?と思ってきたわけですが、それが速水とはねぇ。
最後にこういった筋書きがあることを踏まえて、序盤の速水を「泉ちゃんの使い走りでうだつの上がらないやつ」と印象付けていたのかと思うと面白くなってきます。
今度改めて最初から見直してみようかな。

  • 犯行動機

ちっちぇえ・・・あまりにもちっちぇえ。
でも実に人間らしく、共感の持てる動機でもある。
国のためを想っての事だ!とか大義名分を叫んじゃう倉光なんかよりよほど納得できる。

  • なしえ・・・りえちゃんかわいいよ梨江ちゃん

敬愛する父と想い人(ということでいいのかな?)である新十郎との間で板ばさみになった女の子。
最後までその立場も姿勢もブレることがなく、非常に好感の持てる人物でした。
アニメというとどうしてもへんてこなヒロインが跋扈しがちなだけに、こういうごく普通の女の子がたまに愛おしくなるものですね。

  • 虎山レポート

最後の暗号は「ミダマ」
今回は久しぶりに本領発揮とでもいうべきか、実に簡潔に一連の事件がまとめられており、一読する価値があるものになっています。
最後を飾るにふさわしい泉ちゃんの仕事ぶり。

というわけで、いぶし銀な魅力のある「ああ、なるほどこれはボンズですね」といった印象の残る『UN-GO』でした。