ひぐらしのなく頃に〜宵越し編〜 2

ひぐらしのなく頃に 宵越し編 2 (ガンガンコミックス)

ひぐらしのなく頃に 宵越し編 2 (ガンガンコミックス)

  • ココにしんみり魅音の教え「一生懸命生きな。生の限り足掻くんだよ」(119頁)

実はもう亡くなってる魅音が言うからこそ意味深い言葉なんですよねぇ(一応ネタバレ回避)。
ネタバレついでにもうひとつ。

  • ココにジンときた魅音遺言「私達次もまた双子がいいね」(215頁)

全米が泣いた


平成18年夏、雛見沢村
古手神社集会所に集まった四人の男女、そして園崎魅音
次々に起こる怪異、更に彼らの一人が殺され──。
何者の、どの様な意図がはたらいているのか。
事態は意外な方向への展開をみせ…。
一世を風靡したひぐらしシリーズの原作者が漫画用に書き下ろした完全オリジナルの外伝、堂々完結の第2巻。

てなわけで、あらすじは1巻までのことを元にしていますが本作はこれで完結です。
2巻のあらすじに関しては記述しない方が良いと思いますので、あえて書かずにおきます。


で、まず最初に主観バリバリの個人的な見解。
「こいつは、数あるひぐらし〜〜編の中でも最高傑作やーーー!」
(無論、本作以外のひぐらしは基本的にそれひとつで云々というものではなく、全ての〜〜編でひとつの一大作品となるのでしょうから元々単独で評価できたものではありませんが…。)
いや、それにしてもホント良い作品です。
シリーズから外れた一個の作品として独立しているからこそ出来る事というものもありますが、完成度というか物語の纏まりが凄く良く出来てます。
少々“オカルト”*1という反則を使ったズルい演出もありますけど、それにしたって使うと決めた以上は最大限活かしてやると言わんばかりの腕の振るい様。


そも、解答編が後に控えていて未完結となるが故に、必ずバッドエンド的な悲劇で幕が降りた出題編は内容の良し悪しは別として、読後感は決して良いものではありませんでした。
そこへきて、漫画でしかひぐらしを知らない僕にとっては外伝とはいえ、実質最初に体験した“正真正銘完結している作品”*2
バッドエンドしか見せられていない竜騎士07さんから初めて真のエンディングを見せてもらったわけですが、世間を騒がすだけの事はあるなぁと、今更ながらに体感した気分っすね。
更に、正直に言えば何がそんなに良いのかいまいちピンと来ていなかった『ひぐらし』(というか竜騎士07さんのストーリー)に対する印象をガラっと変えられました。
何だか他の編のラストもすごく楽しみになってきてる自分が居ます。


といったわけで、あらすじも書けず感想先行であまり人の参考になるようなものが書けませんでしたが、本当に良い作品です。
また、『ひぐらし』の枠からやや外れた所にある作品なので、他のひぐらしに一度も触れたことがない人でも比較的難なく物語を捉えられますし、知らないから楽しめないということも全くないと思います。
お薦めです。
尚、宵越し編に関しては基本的にグロテスクなシーンや描写がありません。
そして絵は各編をそれぞれ担当する漫画家さんの中で一番上手いと思います。
あらゆる意味で最もとっつき易い作品と言えます。


追記:
考えようによっては暇潰し編も外伝の色が強く、それ単独で完結していると言えますね。
(出題編のストーリーをある程度踏まえていないと分からない展開がある、という点では宵越しよりは独立性が低いですが)
でもってやはり、暇潰し編には好印象をもっていた覚えがあります。
何も「まったくの初めて」というわけではなかったのかも知れません。
まあ、どうでもいいことではありますが。

*1:死人に口なしの原則破りによる「死者が物を語る」など

*2:解答編はまだどれも完結しておらず、出題編のそれは真の完結とは言えない為